救命病棟24時

誰も間違ってないんだよね

震災から1週間が過ぎ、小嶋楓(松嶋菜々子)の婚約者(石黒賢)が心筋挫傷で死亡した。
PCPS(人工心肺←としさんからのご指摘で修正しました)の修理が間に合わなかったことをで医局長黒木春正(香川照之)は自分を責める。
進藤(江口洋介)は黒木に自分がいた海外の医療現場では最新の医療機器はなく、自分の無力さを感じて患者の死を受け止めることの必要があった。そして今その必要がここにあるのだと説く。ただしそれは相手が「患者」であって、婚約者の死を受け入れることが楓にできるのか。二人は少ない言葉(台詞)で楓を案じ、そしてまだ自分達を責める。
案の定楓は単純なミスを犯す。吸引しなければ胸腔内にいれたドレーンの意味などない。OPEで張りつめていたつもりが、術式と婚約者の死とで半分半分で張りつめていた。 進藤が楓を責めぬよう選んで言った言葉に優しさを感じる。
愕然とする楓は無言でOPE室を出て行く。
かける言葉なんて見つからないよな。

ボランティアを指導する立場にされてしまった河野和也(小栗旬)は、文句しか言わないばかボランティアに対し、「帰れ!」と胸ぐらを掴む。その理由を聞いた日比谷学(小市慢太朗)に「お前おもしろいな」と言われふてくされるが、日比谷は今日はなんだかとってもあったかかった。人間的だった。

避難所で売名する寺泉勇人(仲村トオル)も限界だ。被災者に非難され、それまで溜まっていた本当の言葉が爆発する。「私も被災者なんだ」と。正直でいいと思う。誰も間違ったことなんて言ってない。その後、寺泉は秘書に向かって「俺たちがやっていることのどこが人助けなんだ!」と言う。それまで自分がやってきた上っ面のパフォーマンスを恥じ、楓の婚約者が死亡したことを知ると、以前パトカーで医療機器の業者の車を先導してほしいという黒木の願いを断ったことに頭を下げることになる。これからドラマの中で人としての寺泉の力量が問われてくることになるだろう。

今回は男たちの人としての優しさが目立ったね。

楓は岡山に婚約者の遺体を送りに行ってしまったが、きっとそこでも優しい人たちと出会い、もう一度自分がいるべき場所に戻ってくるんだろうな。