黒革の湿った手帖

青山でみかけたたそがれネコ

内線の子機を隣の医局のDrに渡しに入ると、猛烈なオヤヂ臭。
そのDr以外には誰もいないはず・・・

( ̄□ ̄;)!!!

振り返るとはげがいた。
はげ医者がいつものように黒革の手帖を指をなめなめめくっていた。

この男、医者なのだが、しょっちゅううちの外線を勝手に使って長電話している。
ぼろぼろの黒い革の手帳を広げては片っ端からかけているようだ。
自分もちの患者が少ないため、外来の日はいつもこんなふう。
あんまり電話ばっかりしてるもんだから先日こう言ってみた。
『女子高生みたいですね』
意味が分からなかったのだろう。笑顔というにはあまりにもブサイクに目をたれて見せてきた。
かけては「○○先生は・・・?なに、お忙しい?じゃあまた」
「××課の・・・あ、さようでございますか・・・ではまたの機会に」
「・・・いや、たいした用はございませんので、ははは・・・」
ふられっぱなし。

はげよ、早く気づくんだ。
おまえははげで臭いだけの医者なんかじゃない。
おまえが電話をかけている、友人だと思っている相手は、お前の電話に出ることなんか煩わしく思うほどに忙しいきちんとした医者で、かけているお前は途方に暮れるほど暇な(=だめな)医者だということに。
ま、相手の方も、はげと知り合いってくらいなんだから、ど〜だか分かんないけどな〜。
てか、早く病棟のPtの褥創見ろよ(| ̄Д ̄)ψ
おまえが診ねえからでっかくなったんだろがよっ!このやろ。
訴えられても知らねえぞ。まじで。